「活性酸素と腹八分」
2018.05.20
前回お話ししました活性酸素が発生しやすい生活。
実は何を食べているかという事も重要ですが、食べる量も寿命に影響します。
ウィスコンシン大学のアカゲザルを使った研究結果を紹介したいと思います。

<出典:2009年7月10日[Science]>
28年同じ環境下、同じ飼料を与えて飼育しました。ただし、片方のサル(A,B)には自由にエサを摂取させます。つまり食べたいだけ食べさせます。もう片方のサル(C,D)は栄養価を変えずにカロリーを7割に抑えて飼育しました。
サルの寿命は50年前後ですから28歳というと人間では50代から60代といったところでしょうか。見た目は明らかに差がついています。通常一日三回食事をしますから、一回一回の食事が如何に大切か積み重ねると良くわかりますね。昔から腹八分といわれていますが、この研究でそれが証明されました。
2012年に全く関係ないとの米国国立老化研究所の論文が発表されて、物議を醸しだしたこともありました。しかし2017年にウィスコンシン大学と米国国立老化研究所のカロリー制限研究の矛盾が解明され、カロリー制限による体重減少が生存延命効果をもたらす要因であるのかもしれないとの結論になりました。
やはり食べすぎは良くないということですね。この記事を書きながら実は自分自身に言い聞かせています。
2018年5月吉日
マイコロジーテクノ株式会社
代表取締役社長 西川浩司
※参考:東京都健康長寿医療センター研究所 分子老化制御 石神昭人様の報告


< 前頁へ | < 目次へ > | 次頁へ > |
2018.05.20 | カテゴリ: 研究室から